設備工事という言葉は知っていても、その中で「実際にどんな仕事をしているのか」を具体的に説明できる人は、案外少ないのではないでしょうか。職人が何かを取り付けている、現場で図面を見ている、ヘルメット姿で歩いている──そのくらいのイメージで止まっている人も多いはずです。
でも、もし自分がその仕事を選ぶなら、1日の流れや具体的な作業内容を知らないまま踏み出すのは不安ですよね。働く姿が想像できないというのは、「その仕事が自分に向いているのかどうか」もわからないということです。
だからこそこの記事では、設備工事の仕事とは何か、どんな人がどんな一日を過ごしているのかを、なるべくリアルに、具体的にお伝えしていきます。未経験の人でも、想像が現実に変わるような「等身大の働き方」をのぞいてみてください。
朝から現場、帰るまで──ある1日の流れを追ってみる
設備工事に従事する人の1日は、現場によって異なりますが、共通する流れがあります。まず朝は会社や現場に集合し、その日の工程や安全確認を行う朝礼から始まります。施工管理者であれば、現場全体の進捗確認や職人との打ち合わせ。職人であれば、必要な工具や材料を準備して、それぞれの作業に取りかかります。
作業中は、設計図をもとに配管や機器の設置を進めたり、配線を行ったり、必要に応じて調整・修正を加えるなど、集中力と丁寧さが求められる時間が続きます。屋外の場合は天候との兼ね合いもあるため、季節や天気に応じて工夫しながら動くことが必要になります。
昼休憩を挟んだ後は、午後の作業に移ります。内容によっては他業種と連携しながら進める場面もあり、「待ち」の時間もある一方で、効率よく段取りを組む力が重要です。夕方には作業を終え、片付け・清掃をして現場を離脱。会社に戻って報告書や日報を記入するなど、事務的な仕事をする場合もあります。
このように、設備工事の1日は単なる「力仕事」ではなく、「段取り力」と「対話力」が問われる仕事でもあります。決して単純作業の繰り返しではなく、状況に応じた判断が求められる、頭も使う仕事なのです。
作業だけじゃない、設計・管理・提案の役割もある
設備工事と聞くと、多くの人が「工具を持って作業する人」を思い浮かべがちですが、実際には現場で作業する人以外にもさまざまな役割が存在しています。たとえば「設計担当」は、配管や機器の配置を検討し、建築図面に落とし込む仕事。現場の実情を踏まえながら、効率よく安全な設備計画を組み立てていきます。
また「施工管理者」は、現場の進行を把握し、工程や品質、安全面を調整する“司令塔”のような存在です。職人たちとのコミュニケーションはもちろん、施主や元請け企業とのやり取りも含まれ、技術と人間力の両方が問われるポジションです。
さらに最近では、設備更新や省エネの提案を行う営業・コンサル系の職種も注目されています。新築や改修工事だけでなく、既存設備の入れ替えや効率改善などを提案し、クライアントの経費削減や環境対応に貢献する仕事です。
こうした仕事の多くは、経験を重ねたうえでステップアップする流れになりますが、「将来的に作業以外の道もある」ということは、長期的なキャリアを考えるうえで大きな魅力になります。設備工事は、“一生現場”だけの仕事ではありません。選べる道が多いからこそ、自分の興味や適性に合わせて、成長の方向を決めていける仕事なのです。
働く人のタイプで見る「向いている仕事内容」
設備工事の仕事は、実は「誰にでも合う」ものではありません。だからこそ、自分にとってどんな働き方が合っているのかを考えることが、長く続けるための第一歩です。体を動かすのが好きな人、ものづくりに関心がある人、人とのやりとりが得意な人──設備工事の現場には、それぞれに合った居場所があります。
たとえば、配管や設置作業に向いているのは、手先が器用で丁寧に物事を進められるタイプ。現場での図面読みや工具の扱いが求められるので、細かな作業に集中できる人は大きな力を発揮できます。一方、現場をまとめる施工管理者に向いているのは、全体を見渡す視点を持ちつつ、人との調整や段取りが得意な人。職人や施主、他業者との橋渡しが求められる場面も多く、冷静な判断力と対話力が問われます。
設計や積算の業務では、建物や配管の構造を読み解く論理的な思考が必要です。図面作成や数値管理が中心になるため、計算やパソコン操作が得意な人にも向いています。そして提案営業やコンサルティングの仕事では、お客様との信頼関係を築く力や、設備の仕組みをわかりやすく説明する力が強みになります。
未経験からでも「働きながら気づいていける」のがこの業界の特徴であり、実際に働く中で「思ったよりこの仕事が合っていた」と感じてキャリアを築く人が多くいます。自分のタイプを知ることで、どんなポジションを目指せるのか、未来の選択肢がはっきり見えてくるのです。
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未経験からの一歩──資格とキャリアアップの現実
設備工事の仕事は、資格がなければできない──そう思っている人もいるかもしれません。しかし、実際には多くの人が未経験からスタートし、現場で経験を積みながら資格を取得し、少しずつステップアップしています。資格はあくまで“武器”のひとつであり、最初からすべてを揃えている必要はありません。
たとえば、「第二種電気工事士」「給水装置工事主任技術者」「管工事施工管理技士」といった国家資格は、現場経験を重ねる中で取得を目指すものです。実務経験が必要になるものも多いため、「まず現場に入り、仕事を覚える」ことが第一歩になります。
働きながら資格にチャレンジする人に対し、資格取得支援制度を整えている会社も多くあります。費用補助や講習時間の確保など、会社が一体となってサポートすることで、成長への不安を減らしてくれます。荻原設備でも、未経験から入社し、数年で現場の中核を担うようになった先輩が多く活躍しています。
また、資格だけでなく「現場での信頼」「段取りのうまさ」「人への気配り」など、目に見えない能力もこの仕事では高く評価されます。知識や技術を積み重ねた先に、現場管理やマネジメントへの道も開けてくるのがこの業界のリアルです。
はじめの一歩は誰でも不安です。でも、その一歩さえ踏み出せば、未来は大きく変わっていきます。手に職をつけながら、自分なりのキャリアを築いていける環境が、設備工事の現場には確かにあります。
最後に──「働く姿が想像できる」ことの意味
設備工事の仕事は、目に見えづらいけれど、人の暮らしを根底から支えている仕事です。そして、ただ支えるだけではなく、やりがいや成長のチャンスを与えてくれる現場でもあります。体を使う仕事に不安がある人でも、段取り力や人との調整力など、自分の強みを活かして働ける場面がきっと見つかります。
仕事の中身を具体的に知ることは、「自分に合っているか」を判断するための大事な材料です。ぼんやりしていたイメージが少しでもクリアになったなら、それは未来への一歩が近づいた証拠かもしれません。
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