設備工事に興味があっても、「きついんじゃないか」と感じて一歩を踏み出せない人は少なくありません。重たいものを運ぶ、夏は暑く冬は寒い、体力がないと無理――そんなイメージが先行して、現場を知らないまま選択肢から外してしまうのはもったいない話です。
もちろん、楽な仕事ではありません。でも、すべての現場が同じわけでも、全員が同じ苦労をしているわけでもありません。設備工事の“きつさ”の中身は、実は環境や会社、担当する仕事の種類によってまったく違うのです。だからこそ、「何が本当にきついのか」「どんな現場なら続けられるのか」を正しく知ることが、後悔のない選択につながります。
この仕事を選ぶかどうかは、そのリアルを知ってからでも遅くはありません。
どんなときに「きつい」と感じるのか?──現場のリアル
「設備工事=きつい」と言われる理由には、いくつかの共通点があります。たとえば、屋外作業や高所作業、夏場の熱気・冬場の寒さなど、身体的な負担が大きく感じられる瞬間。さらに、納期が迫ると早朝から夜まで作業が続くこともあり、「時間的なキツさ」が重なると余裕がなくなりがちです。
また、人によっては人間関係のストレスを感じる場面もあります。特に未経験で入ったばかりの頃は、職人同士のやり取りや現場独特の雰囲気に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。体力よりも“気疲れ”のほうが大きく感じる人もいます。
ただし、これらはすべての設備工事に当てはまるわけではありません。空調や電気設備などの中には、屋内作業が中心だったり、比較的軽作業が多かったりする職種もあります。また、チームで動く現場が多いため、一人ですべてを抱え込むような仕事ではありません。
つまり、「きついかどうか」は、その人の適性と、配属される現場や職種によって変わるというのが現実です。
実は全然ちがう?会社によって“きつさ”が左右される
設備工事がきついかどうかは、会社の働き方や風土によっても大きく変わります。たとえば、施工スケジュールに無理がなかったり、現場が分業されていたりする会社では、作業負担や残業時間が最小限に抑えられています。逆に、人手が足りず一人に過剰な負担が集中する職場では、体力的にも精神的にも消耗が激しくなります。
また、設備工事の仕事は「段取り力」がものを言う世界。きちんと事前に計画され、資材や人員が揃っていれば、スムーズに終えられる仕事が多いのです。その段取りがしっかりできている会社かどうかは、働きやすさに直結します。
教育体制やサポート面でも差があります。たとえば、現場でのOJTが丁寧で、ベテランがしっかりフォローしてくれる会社では、未経験でも安心して始められます。「きつさを“経験不足”のせいにしない」体制がある職場は、長く続けやすい土台が整っているのです。
つまり、“設備工事=きつい”とひとくくりにせず、「どんな会社か」「どんな現場か」という視点で見れば、その印象は大きく変わってきます。
続けられる人には共通点がある──「きつさ」との向き合い方
設備工事の現場で長く働き続けている人たちには、いくつかの共通点があります。そのひとつが、「自分なりのペースやスタイルをつかんでいる」こと。最初は誰でも戸惑いますが、経験を積む中で、体力の使い方、作業の順番、無駄のない動きなどを自然と身につけていくのです。
たとえば、夏の暑さが厳しい時期でも、こまめに水分補給をしながら日陰で休憩を取る、無理に作業を詰め込まず余裕を持たせるなど、自分で「調整する力」を持つ人は、現場に飲み込まれることなく働き続けています。現場の“段取り”に対する意識が高い人も多く、事前の準備で作業の流れを整えることが、疲労を減らす工夫につながります。
もう一つ大きいのが、チームで動くことを当たり前とする考え方。設備工事の多くは、複数人で分担して進める仕事です。一人で抱え込まず、助けを求め、声を掛け合える関係性がある職場では、精神的な負担が少なくなり、結果として“きつさ”の感じ方もやわらぎます。
仕事の大変さよりも「誰と働くか」が大切になるのは、こうした現場特有の事情によるもの。職人同士で自然と生まれるチームワークや、仕事終わりにねぎらい合える空気が、「また明日も頑張ろう」と思える原動力になっているのです。
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「きつい」だけじゃない。設備工事がくれるもの
設備工事にはたしかに大変な側面もあります。でも、それ以上に「手応え」を感じられる瞬間があります。たとえば、自分が配管した水道が使えるようになったとき。設置した空調設備が快適に動き出したとき。あるいは、お客様から直接「助かった」「ありがとう」と言われたとき。その一つひとつが、次のモチベーションに変わります。
また、体を動かす仕事だからこそ、机の前だけでは得られない「実感」があります。建物が仕上がっていく過程に立ち会い、自分の仕事が確かに形として残っていく。それは地道であっても、自信や誇りに変わっていくものです。
さらにこの業界では、経験を積むことで資格取得のチャンスも増えていきます。最初は補助的な業務でも、少しずつ任される範囲が広がり、将来的には現場管理や工程監督、施工図作成などへステップアップすることも可能です。手に職をつけ、安定したキャリアを築く土台としても、設備工事は非常に堅実な選択肢です。
「大変そうだからやめておこう」と感じていた人にこそ、見てほしい現場の姿があります。きついからこそ、得られるものも大きい。そんな仕事が、設備工事です。
最後に──「現場=きつい」ではない未来の選び方
「きつい」というイメージは、決して間違いではありません。でもそれだけで仕事の全体像を決めつけてしまうと、本来の可能性を見逃してしまいます。実際には、自分に合う職種や職場を選び、仲間と支え合いながら、やりがいを持って働き続けている人がたくさんいます。
設備工事の仕事は、体だけでこなすものではなく、考えて動き、周囲と調整しながら進めていく“頭と人の仕事”でもあります。働き方の工夫や環境次第で、「きつさ」を軽減することは十分可能です。
不安があるのは自然なこと。でも、知ることで変わることもあります。今の印象だけで判断せず、一度、現場のリアルに目を向けてみてください。
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